「成長期に筋トレはやっちゃいけないんだって…」
このような言葉をあなたも一度は耳にしたことがあるのではないだろうか?
ここで言う成長期とは「第二次成長期」のことである。
成長期は身体のあらゆる器官が急激に成長し、大人の体へと変化する大切な時期。
男子はこの時期になるとより男らしい骨格へと変化し、女子はより大人の女性らしい骨格、体系へと変化していく。
第2次成長期を迎える年齢に関しては女性の方が一般的に早い段階で第2次成長期を迎える。
これは、女性は子供を産む為に大掛かりな準備が必要となる為であると言われている。
このような大人の体へと変化していく時期に、いったいなぜ筋トレをしてはいけないのだろうか?
まずここでは筋力トレーニングのしくみについて確認しておこう。
筋力トレーニング、いわゆる筋トレとは、純粋に「筋繊維」にダメージを与えることを指す。
具体的には日常生活レベルの運動行為以上の負荷を加えることで我々の体はその負荷に対応するように少しずつ作り変えられていく。
この人体の負けず嫌い?とも呼べる性質を利用し「筋肉」と呼ばれる筋繊維、筋細胞の集合体に的を絞って負荷を与えているのが「筋トレ」と言うこともできる。
※筋トレとは筋繊維に意図的に負荷を与える(傷を負わせる)行為
トレーニングを行うと筋繊維はミクロ単位レベルの小さな傷を負う。これは目に見えるような傷ではなく筋繊維レベルの小さな小さな傷である。
筋肉の細胞は、傷ついた部分を修復する性質をもっており、その修復の際に前回のダメージを負ったレベルの運動に対して、次回はダメージを負わないように強く修復される。
このより強く修復された状態は何日間か継続され、その継続期間を「超回復」と呼ぶ。
超回復=筋繊維が以前よりも強靭な状態に修復された状態
筋トレでは、主に単純に筋肉の使い方を覚えこませるために実践競技と類似する動きを取り入れたメニューを組み込んだり、この超回復の働きを狙って筋肉量の増加を計る目的で筋トレが行われている。
しかしこれだけでは子供の成長期にあたる期間に筋トレをしてはいけない理由にはもちろんならない。
身長が急激に伸びる時期。この時期は人生の中で2回あると言われている。
ではこの2回とはいったいいつだろうか?
これは、おそらく誰もが耳にしたことがあるはず。
そう、「第1次成長期」と「第2次成長期」である。
※急激に身長が伸びる成長期は人生で2回ある
まず第1次成長期とは産まれてすぐに始まる赤ちゃんの時に迎える成長期の期間を指す。
普通に考えてみるとよくわかるが、赤ちゃんは数ヶ月間で身長が一気に伸びる。
更に体重に至っては倍にまで大きくなる。
今の自分の体重が数ヶ月で倍になってしまっては大変だが、乳児にはこのようなことが誰にでもおきている。
このことからも乳児期の第1次成長期は人生の中で最も体が成長する時期であることがわかる。
年齢で言えば「0歳~2歳」までの期間が一般的な第1次成長期の範囲とされている。
続いて第2次成長期とは、一般的に小学生の後半から高校までの間に迎える急激に成長が伸びだす時期のことを指す。
この第2次成長期がスタートするタイミングに関しては男女差が見られる傾向にある。
一般的には男子よりも女子の方が成長期が始まる時期も終わる時期も早い。
この第2次成長期を迎えると身体だけでなく、運動神経、自律神経などの神経系の器官も最終的な完成系に近づいてくる点は覚えておくべきひとつのポイントでもある。
このように身体面から神経系、そして幅広い範囲ではメンタル面に至るまで大人の体へと変化している思春期の段階が第2次成長期の期間である。
この第2次成長期の子供が行うトレーニングにおいて最大の問題となっている点は、「骨の成長への影響」があげられる。
では度々問題として提起される子供の成長期のトレーニングについてここからはチェックしてみよう。
成長期になると、急激に身長が伸び始めるが、この身長が伸びるメカニズムをご存知だろうか?
身長が伸びるということは、現実的に「骨」が伸びることを意味する。
当たり前過ぎる事ではあるが、家などで考えるならば、建築構造上の柱や梁に該当する人体の構造部分を形成している骨組織が成長する事で身長は伸びていく。
※身長が伸びるとは=骨が成長すること
この骨がどのように伸びていくのかを知ると鍵が見えてくるようになる。
例えば人体で最も大きな骨組織であると言われる「大腿骨」を例にとって見てみよう。
大腿骨とは太ももにある骨のこと。
この太ももにある骨は骨の中間部分から伸びるようなことはない。
必ず骨の先端部分から成長していく。
これは骨の末端部分には「骨端線」とよばれる線があり、骨はその骨端線に沿って成長することが理由のひとつ。
成長する際の骨の元となるのが骨端軟骨と呼ばれる軟骨組織だ。
※骨端軟骨=骨が成長する元となる部分(成長軟骨とも呼ばれる)
骨端軟骨部分は骨を構築する骨芽細胞と呼ばれる細胞が豊富にあり骨の成長を促している。
しかし、この軟骨組織は強い負荷を受けると磨り減ったり、ずれてしまったり、つぶれてしまうことがある。
これが成長期のトレーニングの最大のポイントとしてあげられる。
激しい運動やトレーニングを続ける問題点について確認しよう。
負荷の高いトレーニングや激しい運動を継続すると骨の成長の元となる骨端部分にダメージを負ってしまうことがある。
骨端軟骨(成長軟骨とも言う)は柔らかい組織である為、強い衝撃が度々繰り返されると、この骨端部分がつぶれてしまう可能性があるのだ。
※骨端軟骨はつぶれてしまうことがある
但しこの変化は毎日少しずつ継続的に負荷が加わっていくことで症状として現れるようになってくる為、自分自身が骨端軟骨の状態がどのようになっているのかを確認することはできない。
骨端軟骨がつぶれてしまう可能性があることは理解した。
では、もし骨端軟骨がつぶれてしまったり、磨り減ってしまったりするとどんなことが起きるだろうか?
まず一番気になる点は「本来伸びるはずであった身長」が骨端軟骨の損傷によって十分に成長出来なくなってしまう可能性がある点が検討される。
少しでも大きくなりたいと思っている場合、僅かにでも可能性を減少させるようなことは避けたいものだ。
また軟骨の損傷はクッション性の低下減少を招き、全身の様々な関節にかかる負担が大きくなる可能性も検討される。
このような経緯もあり成長期には筋トレをしてはいけない!
というイメージが定着してしまっているのである。
「では、具体的にどのような動作が成長軟骨にダメージを与えるのだろうか?」
これは繰り返し強い負荷が加わるような運動があてはまる。
具体的にはジャンプの着地動作や、自重をはるかに上回るウエイトを使用したスクワットなどのトレーニングだ。
さてここからがいよいよ当サイトの最大のテーマ。
筋力トレーニングとは、前項でも解説したが超回復を目的として筋繊維に意図的にダメージを与えることである。
成長期の筋トレで問題となっているのは、骨や関節などへのダメージであって筋細胞への負担を考慮されているケースはほとんどない。
このことからも「成長期に筋トレをしてはいけない」という概念は的を射た概念とは言えないことがわかる。
では、成長期の子供の場合のトレーニングではどのような概念が適当なのだろうか?
私ならばこのように考える
※成長期には骨や関節に負荷が大きくかかるトレーニングはしないほうがよい
これならば、骨の両端部分にある成長軟骨へダメージを与える可能性のあるトレーニングは行わないほうが良い。
というスポーツ科学的にも理に適った概念となる。
しかし、このようにとらえるともうひとつ覚えておくべきポイントを見失う可能性もある。
それが身長と骨に関する医学的見解。
運動と骨の成長の関連性についてである。
近年の研究では運動と骨の成長に関して新しい見解が検討されている。
この新しい見解とは、重力の刺激がより加わることで骨が成長するという見解だ。
※骨は重力による刺激を受けると成長する
まだ完全に明らかにされている研究結果ではないが運動を行うアスリートは運動をしないアスリートよりも骨への刺激を与えやすい環境にあることは間違いない。
運動をしている子供の身長が高くなる傾向にあるのは、この骨への刺激が要因となっているのはないか?という説である。
運動をすることで骨への刺激が加わる場面が増えれば骨の成長を促す。
もしこの説が実証されれば、スポーツ種目によって身長の大小が左右されるのではなく、刺激の程度が影響を与えるということになる。
更に、これらのデータをまとめていくと、次のような仮説もたてることができる。
※骨端軟骨に過度な負担をかけない範囲での運動をすると骨はより成長しやすい環境が作られる
身長は正しい知識を身につけられたならば、まだまだ伸ばすことができるのかもしれない。
身長が実践に大きく影響を与えるスポーツ競技は意外と多い。
もし今現在、あなたが成長期の最中にあるアスリートであるならばこのような知識は覚えておいて損はないだろう。
成長期の子供をもつ親も同様である。
「いや~おっきいですね~!」
「いえいえ、実は若い頃バレーボールをしてまして。」
「なるほど~、やっぱりそうですか~」
なんだか締まらない会話だが、もし巷でこんな会話があっても誰も特別、変な違和感を抱くことはないと思う。
何故ならバレーボールをしていると身長が伸びる!
というイメージが何故か世間的にも定着している現状がある為だ。
また、あなたはこんな話も耳にしたことがないだろうか?
★サッカーをすると身長が伸びにくくなる。
★バレーボールやバスケットボールをすると身長が伸びやすくなる。
これらは私自身も聞いたことある言葉だし、実際にそう思っていた。
しかし、これらの諸説に関しては正確な医学的な証明が一度もなされていない。
サッカーは走りっぱなしで足腰に負担がかかり成長しづらくなる。
バスケットボールやバレーボールではいつも飛んでいるので身長が伸びやすくなる。
このような先入観に近いイメージが現在は先行してしまっているように思う。
またこれほどのサッカーブームが訪れた現在では「自分は小さいからサッカーしよう!」といった身長が高い・低いという身体的なサイズで競技を選択するような時代でもなくなってきている。
サッカー選手の大型化は近年になって加速し、やはりサッカーでも身長が大きい事は有利に働く場面が多い。
かつてはキーパーやセンターバックに大型選手が見られたが、今では平均的に全てのポジションで体格の良い選手が多くなっている。
アジア圏に属する大型選手の多いオーストラリアなどはやはりポストプレーが断然強い。
他のスポーツ同様、アスリートの大型化が進む時代の変化を見る限りサッカーを続けていると身長が伸びにくくなるという仮説は、やはり実証できないだろう。
思春期スパートと言う言葉をご存知だろうか?
この思春期スパートとはイギリスの発育研究者であるタナーが第2次成長期で最も身長が伸びる最終的な段階について名づけた言葉。
この思春期のラストスパート段階に入ると、1年間で10センチ以上身長が伸びるようなケースも珍しくない。
実際、私が指導している子供たちの中でも小学生の女子で10ヶ月間で13センチも身長が伸びた子供がいる。
何も珍しい話ではないかもしれないが、やはり13センチというのは結構凄い。
この子は中学生になっても身長が伸び続けてはいたが中学2年生あたりでほぼ身長が伸びなくなった。
この事からもこの子にとっての思春期スパートはおそらくこの小学生の時期にスタートしたと想定される。
思春期スパートのタイミングは個人差がある。その為、決まってこの年齢で思春期スパートが始まるとは言えない。
しかし、平均的に男性よりも女性の方がこの思春期スパートは早くはじまると言われている。
また人種によってもある程度、スタート時期に一定の傾向が見られることも近年確認されるようになってきている。
尚、日本人は世界の中でも特に早い段階で思春期スパートが始まる民族であると言われている。
これは身長が大きく伸びる第二次性長期の期間が早くスタートする分、成長期が早く終了する可能性があることを示しているとも言える。
女性の方が第2次成長期の期間が短いという話を聞いたことがあるだろうか?
一般的に女性は男性よりも成長期が終わる時期が早い傾向にある。
これは小学生くらいまでは女性の方が背が大きい子が多く、中学になると男性が徐々に追い抜いていくパターンが多いことからも何となくイメージが沸く。
※中学生になると男子の身長のほうが高くなることが多い
では女性の成長期はいったいいつまでの期間を指すのだろうか?
女の子に限らず、子供の成長期は男の子であっても女の子であっても、実は成長期の年齢に関する明確な定義は存在しない。
これは何度も述べているが第2次成長期がスタートする年齢に個人差がある為である。
一般的に女の子の方が成長期が早く終わるのは、女性としての体へとしっかり変化していく準備が必要となる為。
医学的には、「体重が38キログラム」を超えてくると月経が始まると言われている。
この月経がスタートすると、成長ホルモンの分泌が徐々に抑制されるように働き始め、月経が始まってから1~2年で大きな身長の伸びが見られなくなる。
※月経が始まると成長ホルモンの分泌が抑制されはじめる
もちろん、胸の発達などはこの後も少しずつ続くが、女性の「骨の成長」という点から見ると、月経が始まってから約1~2年間の時期が成長期の最後の段階と考えておいても良いだろう。
女性の成長期の終わりは月経が始まって数年程度で骨が伸びていく成長が止まり始める事はここまで解説してきた通りである。
では男子の成長期とはいったい何歳くらいまで続くのだろうか?
これも個人差があり特定の年齢が指定されているわけではないが、男子は一般的に16歳~20歳くらいまで身長が伸びる成長期の範囲と見られている。
尚、これは世界的な話で、日本だけで見るとこの年齢は14~17歳くらいまでが多くなる。
日本人男性の成長期と見られる期間が短いのは実は有名な話。
世界的にもトップ3に入るほど日本人は成長期が早く終了すると言われている。
戦後に明らかに平均身長が伸びたとはいえ、日本人の平均身長が諸外国と比較すると低いのはその為だ。
もし成長期に出来る限り最大限に身長を伸ばしたい場合。
このテーマだけに絞るなら、成長期にあたる期間のトレーニング種目の選択は非常に重要となる。
※トレーニング種目の選択がポイント
前項でも解説したが、成長期に筋トレを行うことで成長に対してマイナスに働くようなことは絶対にない。
むしろ運動は骨の成長を促す可能性が高いことから骨へ軽い刺激を加えることは望ましいことだ。
運動を一切しない子供の場合は、逆にトレーニングが骨への刺激となり身長を伸ばすきっかけとなるかもしれない。
ここで抑えておくべきポイントは、成長軟骨に負荷が大きく加わるようなトレーニングをこの成長期には回避することである。
【成長期に避けたいトレーニングメニュー一覧】
★膝を極度に深く曲げるスクワット系種目(昔のうさぎ飛びなど)
★ウエイトを用いたジャンプ動作を伴うトレーニング
★長時間にわたる縄跳び
★デプスなど瞬間的に負担の高いメニュー
「筋トレなんかしたら筋肉がつきすぎて身長の伸びを止めてしまう!」
現実的にはこのように身長の伸びを遮るほどの筋肉量をこの時期に身に付けることはほとんど不可能に近い。
問題は「筋力トレーニング」そのものにあるのではなく、選択するトレーニング種目の方に問題があると考えて良い。
成長期の子供が積極的に摂取していきたい栄養成分のひとつに「アルギニン」や「オルニチン」と呼ばれる成分がある。
このアルギニンとオルニチンはともに「アミノ酸」の仲間。
アミノ酸分子は500種類近くの成分に分類されている。
その500種類の中でも「成長ホルモン」の分泌を促す働きをもつ成分として、この2つのアミノ酸は注目を集めている。
※アルギニン・オルニチンは成長ホルモンの分泌を促す効果がある
アルギニンは特に魚介類に多く含まれていることで有名なアミノ酸。
しじみなどの貝類には多くのアルギニンが含有されており成長を促す成分があることは既に解明されている。
※アルギニンは魚介類に多い
魚系食材はアルギニン含有率が比較的高い食材が多いので成長期の食事用のレシピの中には魚を中心としたメニューも比較的多い傾向にある。
これは成長ホルモンの分泌を促すアルギニンの効能を期待しての部分もあるだろう。
この他、豆類や玄米にもアルギニンがそこそこ含まれている。
また、アルギニンはスポーツアスリートが是非知っておきたい成分のひとつでもある「クレアチン」の原料でもある。
クレアチンは無酸素運動を行う際に主要のエネルギー源となる成分だが、体内で合成される際にアルギニンを原料として使用する。
※アルギニンはクレアチン合成の原料
このような効能を考慮すると成長期にあるスポーツアスリートにとって、アルギニンは非常に重要な成分であることが見えてくる。
BCAA分岐鎖アミノ酸やアルギニン・グルタミン等の主要成分を配合したアミノバイタルがここまでのヒット商品となった理由もスポーツアスリートに必要な成分を上手く配合した点にあると言えるのではないだろうか?
スポーツアスリートにとって「プロテイン」の存在は誰もが一度は気にかけるもの。
プロテインとは直訳すると「たんぱく質」のこと。
横文字であることからステロイドなどの筋肉量を増強するようなものというイメージを持たれている方もいるかもしれないが、プロテインは単純にたんぱく質を粉末状、もしくはタブレットタイプにした製品である。
※プロテイン=タンパク質
販売されているプロテインには、このたんぱく質の他にBCAA分岐鎖アミノ酸やビタミン類が添加され複数の栄養素を同時に摂取できるような加工がなされているものも多い。
では成長期の子供の場合でも食事以外でプロテインの摂取は必要だろうか?
一般的には成長期の子供にプロテインなどを摂取するのは控えたほうが良い。という見解が多いように思う。
何となくプロテインという言葉が子供にとっては危険性の高いような先入観がある場合や、そのような先入観はないにしても、やはり出来る限り普段の食事からたんぱく質を補うことが重要という考えがある為だ。
これは最もな話ではある。
食事から必要な栄養素をもし摂取できるのであれば、世の中にある栄養補助食品は正直なところ必要ない。
しかし、本当に全ての栄養素の必要量を食事のみから摂取することを考えると、あまりにも多くの食品を食べなくてはいけなくなる。
特に筋肉の元ともなるたんぱく質の必要摂取量を食事のみから摂取するのはかなり困難であることが見えてくる。
成長期の子供が摂取すべきたんぱく質摂取量の目安は最低ラインで体重×1.5グラムと言われている。
※成長期の子供のたんぱく質必要摂取量=体重×1.5グラム
しかしこれはあくまで最低ラインでの話。尚、この目安となる体重×1.5gというのは一般成人男性と同じ比率である。
更にスポーツをしている子供の場合はこの数値は高くなり最低ラインで体重×2グラムのたんぱく質の摂取が必要であると言われている。
※成長期でかつスポーツアスリートの場合=体重×2グラム
体重40キロのスポーツアスリートの場合では単純に40×2で80グラムのたんぱく質の摂取が必要となる。
これだけの量を食事のみから、例えばお肉から摂取しようなどと考えると、相当量のお肉を食べなくてはいけなくなる。
これは結果的に脂肪分の取りすぎにもつながり、かつ「お財布」も痛い話。
現実的にはお肉のみから必要量を摂取することは難しい為、複数の食材から総合的にたんぱく質を摂取していくことになる。
しかし、豆腐や納豆、ツナ缶などといった複数の食品類から総合的にたんぱく質の摂取を行ったとしても必要量を摂取することはやはり難しい。
その為、もし子供がプロテインの摂取を検討する場合は、食事で補い切れないたんぱく質量を計算し、その不足分のみをプロテインなどの栄養補助食品を使用する。
このような栄養摂取の検討基準を設けることが望ましい。
尚、我が家では栄養バランスに配慮された子供でも飲みやすいココア味のジュニアプロテインを利用している。
一般用のプロテイン製品は美味しいとは言えない。その為、一般のプロテインを飲み慣れている方がジュニアプロテインを飲んでみると甘みが強めであるため少し馴染みにくいかと思う。
尚、我が家ではジュニアプロテインを牛乳とミックスして飲む他、ホットケーキやおやつの材料に混ぜる等してたんぱく質の必要摂取量を補えるようにしている。
結局のところ子供であっても大人であってもプロテインを摂取したからと言って筋肉質になる訳ではない。
これは卵を食べているだけで筋肉隆々にならないのと同じこと。
繰り返しになるが、プロテインとは単純にたんぱく質の事である。
「子供だから・・・・」
「危険そうだから・・・・」
という先入観でプロテインの摂取は危険!と判断するのは、たんぱく質という栄養素そのものを否定しているのと同じ事。単純に認識の誤りである。
あくまで必要摂取量を基準として不足すると思われる栄養素は栄養補助食品の導入を検討する。このようなスタンスで改めてプロテインの必要性を考えてみると良いだろう。
スポーツアスリートの成長期の食事についてまとめておこう。
わかりやすくポイントだけをまとめると以下の3つが成長期の食事のポイントと言える。
【成長期の食事3つのポイント】
1.食事が基本
アスリートは食事も重要な自己管理のひとつ。必要な栄養素は出来る限り食品から摂取する。
2.魚介類を積極的に摂取
成長ホルモンの分泌を促すアルギニンは成長期には欠かせないアミノ酸。この時期に成長ホルモンが不足するようなことだけは避けたい。
3.栄養補助食品の利用
明らかに不足しているタンパク質やカルシウムは栄養補助食品からの補給も検討する。
他にも多くの要素が考えられるが、人生の中で2回しか訪れない「成長期」という限定条件においては、この3つのポイントは是非とも覚えておきたいポイントである。